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読書三昧の日々

湯本香樹実「岸辺の旅」

2010/10/30
やらわ行の作家 4
文藝春秋
2010年2月25日 第1刷発行
210頁

ある夜
台所でしらたまを作っていると3年前に失踪した夫が現れる
彼の身体は海底で蟹に食べられてしまったのだ、と言う
 
夫が、この3年辿ってきた場所を旅する二人
 
 
現実か夢か幻想か
 
警察に失踪届けを出し、尋ね人のポスターを作って必死に捜した夫
彼には愛人がいた
相手も既婚者で、浮気相手は他にもいた
歯科医だった夫が家では決して見せない一面があったことも知った
3年ぶりに戻ってきた(死んでいるのだけど)夫を責めることもせず、夫の意思のまま旅を続ける
 
既に亡くなっている父親が夢に現れ
アイツの身体を食べたのは俺だ
あんな男と結婚したなんて
と言うのもごもっとも、と思えるような夫
それでもやはり自分が愛した夫なのだ
今度こそ本当に夫が消えてしまう日が来ることを知りながらこの旅が続くことを願う
 
 
彼岸と此岸の岸辺の旅
 
不思議な透明感のあるお話でした
 
 
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Comments 4

There are no comments yet.

こに

No title

完熟とまとさん

最初は
小川洋子さんの「夜明けの縁~」と似た雰囲気かしら、と思ったのですが違いました

気になる女性作家さんのひとりです
強くお薦めはしませんが、読んでみてもいいかも、とは言えるかな

2010/11/01 (Mon) 20:27

完熟とまと

No title

不思議な世界に誘ってくれそうなお話ですね。
是非読んでみたいと思います。

2010/11/01 (Mon) 09:51

こに

No title

アー君さん

「夏の庭」だけじゃないんだゾ!
頑張ってらっしゃいますね!
小川洋子さんと梨木香歩さんを混ぜて、柔らかく仕上げたような雰囲気でした

2010/10/30 (Sat) 22:50

アー君

No title

「岸辺の旅」早く読みたいなぁと思って、でも湯本香樹実さんは大好きなので、図書館よりも買わなきゃと思いながら・・・まだ・・・で、

今までとはずいぶんと違う内容のようですね!
早く買わなきゃ、早く読まなきゃ(^_^;)

2010/10/30 (Sat) 16:51