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読書三昧の日々

三浦綾子「海嶺」

2010/05/29
三浦綾子 6

天保3年(1832年)尾張熱田港を出帆した宝順丸が江戸へ向かう途中、遠州灘沖で嵐に遭い1年2ヶ月もの間漂流し、やっとたどりついたのがアメリカ西海岸のフラッタリー岬
洋上で壊血病のため11名が死亡
奇跡的に生き残ったのは、岩吉、久吉、音吉のたったの3名にすぎなかった
白人たちによって救出された3人は日本に戻りたい、という強い意志でハワイ~イギリス~マカオと旅を続け
熱田港を出てから5年後の1837年、九州からの漂流者4人と共に、いよいよ日本に向かう船に乗り込むのだが…
 
 
幕末
モリソン号事件として有名な史実に基づいた小説です

白人たちの信仰にあわせ日曜礼拝に出かけ、アーメンと唱えるようになる3人
しかし日本の神々への信仰は捨てがたく、日本に帰国後のことを考えればキリシタンに宗旨替えするわけにはいかない
神について、人間について、3人は様々な悩みを抱えながら帰国の日を待ち続けました
 
日本を目の前に
異国船打ち払い令により大砲の攻撃を受け帰国叶わずマカオに戻るしかなかった3人
 
時代の流れの中で、どうしようもなかったのかもしれません
 
日本が、お上が、3人を捨てても、決して捨てぬ者がいる
 
それが心に深い傷を負った漂流者たちの心の救いになったことを願わずにはいられません
 
 
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Comments 6

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こに

No title

あられもちさん

私も当時はほとんど映画を観てない頃で全く知りませんでした
映画でも、嫉妬深い岩松だったのかしらん (^_^;)

2010/06/01 (Tue) 14:10

あられもち

No title

えぇ~映画化されていたなんて知りませんでした^^;
調べてみると1983年となっていますね。
(田舎なので当時は映画館がなかったため、あまり映画に興味がなかったからかな?)
昔の西郷輝彦さんは多分松村雄基さんに似ていて、不良っぽい役の似合うイメージ。ワイルドな感じは合っているかもしれません。

2010/05/30 (Sun) 20:27

こに

No title

あられもちさん

岩松がいなければ音吉も久吉も日本に帰るという強い気持ちを持ち続けられなかったでしょうね

渡辺裕之さんですか (^◇^)

昔映画化されていて調べたら岩松役は西郷輝彦さん、お絹役は竹下景子さんでした
どう思います?
(^^)

2010/05/30 (Sun) 10:33

こに

No title

ma-koさん

嫌な顔をされたのですか?
住職兼教師という立場の方がそれでは、ちょっとどうかと思いますね
自分と違う考え方、意見でも、とりあえず聞く耳を持つ姿勢でいて欲しいと思いますよね

嫌な顔をされて嫌な思いをされましたね
('_')

2010/05/30 (Sun) 10:27

あられもち

No title

もう20年くらい前に読んだのでしょうか。
嵐に遭ったときのこと、1年2ヶ月にわたる漂流、その後の数奇な運命、読み応えのある長編でした。
豪胆な岩松、わたしは勝手に渡辺裕之さんのイメージで読んでいました。(フィトー、イッパーツのCM当事出ておられて)

2010/05/29 (Sat) 18:28

ma-ko

No title

20代の頃、
お寺の住職も、
してる学校の先生に、
自分とは別なもの、
とりあえず今じゃないもの、
は、あると考えると、
これは便利ですよ。
と言った時に、
すっごい嫌な顔をしてました。(´・ω・`)

2010/05/29 (Sat) 17:52