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読書三昧の日々

松本清張「或る「小倉日記」伝」

2010/05/28
松本清張 2
短編が12編収録されています
 
「或る「小倉日記」伝」
「菊枕」
「断碑」
これらは実在の人物をモデルにしたものであるが作者の強い自己投影があるとのこと
才能や能力があるにも拘らず境遇や環境により世に認められない者の不遇の生涯を描いている
 
「石の骨」
学閥のヒエラルキーを背景とした他人の業績を横領する学問の世界
 
「父系の指」
清張の自伝小説
お人好しで貧乏から抜け出せない父親
東京で成功している父の弟一家に対する父親の劣性を受け継いでいる自分の憎悪の感情
 
他の作品も全て暗く成功者とはほど遠い世界の話ですが読後感は悪くないです
人間の本質に迫る清張の筆力だと思います
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Comments 2

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こに

No title

すてさん

読み終わって感動や爽快感が得られる作品もよいですが、こういったのもたまに読みたくなりますね

2011/01/26 (Wed) 14:30

miffy_toe

No title

人間の本質に迫る清張の筆力、本当にそう思います。
短編ながら、どれも読み応えがありました。

2011/01/25 (Tue) 23:03