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読書三昧の日々

白石一文「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」

2010/05/19
白石一文 4
人に薦められる?
ごく限られた人にしか薦められないと思います
例えば、私の生き様をうんと近くで見てきた人とか、同じ苦しみを体験をした人とか

主人公は週刊誌の編集長カワバタ
政治経済
宗教
病気
家族、愛人
カワバタの周辺の問題をカワバタの言葉と様々な分野の著名人の言葉、著作からの引用で読ませる
上下巻で610頁を一気読みでした

僕は自分の必然に従って生きていくんだ
必然?何それ
要するに、結局はそうなってしまうだろうように生きるってことだ、人の力やまして神の力なんて借りずに僕はそうやって自分がそうなってしまうだろう人生をしっかり生きたい、すでに決まっていることを自分で決めるんだよ
もっと噛み砕いて言えば、何かをするたびに『自分がこれをやっているということは、すでに決まっていたことなんだろうか?』と自分に尋ねるんだ、そして『いや、これは行き当たりばったりでやってるだけだ』と気付いたらそんなこと直ぐに止めちまう、そういうことだよ
この胸に深々と突き刺さる時間という長い矢
偽りの神の名が刻まれた矢をいまこそこの胸から引き抜かねばならない
その矢を抜くことで僕達は初めてこの胸に宿る真実の誇りを取り戻すことができるのだから…
 
直木賞受賞作品はまだ読んでいません
 
この先
白石さんはどこへ向かうのでしょう
 

 
 
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Comments 4

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こに

No title

リトルムーンさん
このままだと白石さん、書かなくなってしまうんじゃないか、と思ったりしました。
私の感想ですが、万人に対する「救い」は無いと思います。でもどこかシンクロする部分がある人には救いは存在すると思います。

2012/05/20 (Sun) 23:32

リトルムーン

No title

なるほどぉー、「この世の~」とも通じる世界が描かれていそうですね。

白石さんという人は物語に「救い」があったりするのでしょうか?

2012/05/20 (Sun) 14:29

こに

No title

ゆずにすももさん

白石さんの著書は読み手を選びます
相性(?)が良ければハマりますが悪いと最悪(;O;)
好き嫌いは別として読む価値はあるとは思いますが…

記者という職業はある程度独善的な人間にしか勤まらないんじゃぁないか、と思っております
違うかな?

2010/05/22 (Sat) 16:35

ゆずにすもも

No title

こんばんは。難しそうですね。読んでいないのを承知で暴論。記者さんと何人か話した事がありますが、何となく話を通じるのは難しいです。書くだけで意義を作り傍観者でない価値を作るのは。
矢そのものが幻であるかもしれない。
大変なお仕事だと思います。
私もまた。私の生き様を見ている人でさえ私のことを知らないので。

2010/05/20 (Thu) 22:37