高田郁「想い雲 みをつくし料理帖」
ハルキ文庫
2010年3月 1刷発行
2017年5月 31刷発行
275頁
みをつくし料理帖シリーズ第三弾
豊年星―――「う」尽くし
想い雲―――ふっくら鱧の葛叩き
花一輪―――ふわり菊花雪
初雁―――こんがり焼き柿
相も変わらず次から次へと降りかかる苦難災難を、「つる家」周囲の人々の協力を得て乗り越える、澪、芳、種市らを描きます
今回、一番印象に残ったのは「初雁」
下足番のふきの弟が奉公先から飛び出して行方不明になってしまった間、澪の味付けが不安定になった時に手伝いにきてくれていた老婆・りうに言われた厳しい言葉に、澪が何時しか自分を特別な料理人であるかの如く錯覚してしまっていたことを深く反省し改めて思いを新たにするところです
ねえ、澪さん、とりうは娘の瞳を覗きこんで、こう続けた
「どんな時にも乱れない包丁捌きと味付けで、美味しい料理を提供し続ける。天賦の才はなくとも、そうした努力を続ける料理人こそが、真の料理人だとあたしゃ思いますよ」
言葉もなかった
澪には成長あるのみですね^^
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