fc2ブログ
読書三昧の日々

角田光代「対岸の彼女」

2019/08/04
角田光代 2
#読書 #角田光代 #対岸の彼女 #文春文庫

文春文庫

200710月 第1

2018年 1月 第22

解説・森絵都

327

 

132回直木賞受賞

 

主人公は田村小夜子、35

5年前に勤め先での人間関係に疲れて寿退社した彼女は、以来専業主婦として暮らしてきました

夫、娘、嫌味ばかりの姑

日常的に小夜子に関わりのあるのはこの3人だけ

外での息抜きもせず、娘の公園デビューにも躓き、最近では他者と関わる気力自体を失いかけています

そんな小夜子が一念発起、働きに出ようと決心し面接に赴いた会社で出会ったのが、本作のもう一人の主人公・葵

小夜子と同い年の35歳で、大学卒業と同時に起業、性格は陽気で常に前向き、小夜子とはまさしく対岸にあるような二人の人生が交わります

同じ大学の同級生だったこともわかり急速に親しみを増す二人でしたが時が経つにつれ亀裂が生じていきます

独身女性と主婦

社長と部下

外交的な性格と内向的な性格

様々な相違が二人を隔てる障壁として立ちはだかります

小夜子の視点で語られる「現在」と葵の視点で語られる「過去」

現在の陽気な性格からは想像もできない葵の過去には驚かされます

葵の立ち上げた会社「プラチナ・プラネット」の名の由来も切ないです

 

小夜子と葵

彼女たちは前に進むことができるのでしょうか

人と関わることは様々な苦痛や困難を伴うものですが、それらをエネルギーに変えてまた私たちも前に進まなければならないのだろう、進めるものなのだろう、と思いました

 20181201対岸の彼女s



 

関連記事
スポンサーサイト



Comments 2

There are no comments yet.
こに

こに

しんべえさん

色々と読まれたのですね。
角田さんは、これで4冊目とまだまだ初心者なのでこれからが楽しみです♪
辛い内容が多いのが逆に惹かれるところです^m^

これぞ!というお薦めがあったら教えてくださいませ<m(__)m>

2019/08/07 (Wed) 08:08

しんべい

No title

確か昔…と思いブログを見てみたら、なんかどっぷり浸って読んでたような感想がありました。
でも内容は覚えていない(^^;
また読みたくなって本棚を探して見たら、ブックオフかどこかに出した後でした。公民館で探して見ようかな?

2019/08/05 (Mon) 09:59