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読書三昧の日々

乃南アサ「しゃぼん玉」

2018/12/21
乃南アサ 2

新潮文庫

2008年 2月 発行

2017年 2月 20

解説・北上次郎

320

 
 

女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返し、自暴自棄な逃避行を続けていた伊豆見翔人

ヒッチハイクで乗せてもらったトラック運転手に金を出せと脅したところ、逆に宮の山深い村で暗闇に放り出されてしまいます

夜が明けてから一人トボトボ歩いていると横倒しになったスクーターに遭遇

スクーターを奪って逃げようとしたら近くにいた老婆・スマに「ぼう、ぼう」と呼ばれ、何の因果か、怪我をしている彼女を後ろに乗せ自宅まで連れ帰り医者を呼び、病院に付き添うことに…

金目のものを見つけたらサッサと逃げ出すつもりが、翔人をスマの孫と思い込んだ村の人々の勘違いやら何やらで老婆の家で数日を過ごすことになります

スマも何も言わず翔人の世話をしてくれます

老婆の家で食べる献立の数々、沸かしたての熱い風呂、温かい布団、村人との交流

「ぼう」と呼ばれ「ぼうは、いい子だ」と頭を撫でられ

普通に暮らす人にはごく当たり前の日常が、ささくれ立っていた翔人の心を少しずつ少しずつ柔らかく解していくのでした

自分はしゃぼん玉のようにフワフワ浮いているだけ、どこにも着地出来ず弾けて消えるだけだと思っていた翔人にも地に足を付けて暮らせる場所が見つかったのです

解説にはラストで目頭がじんと熱くなるとあります

今も読み直してウルウルきています

田舎の暮らしを美化しているように感じられる部分はありましたが、読後は爽やかな心持ちに包まれました

ジャンル分けすれば心理サスペンスとのことですが一人の若者の再生を描いたヒューマンドラマだったと思います

2017年春に映画が公開されていたようです

探して観てみましょう

 

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Comments 2

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こに

No title

> チャコティ副長さん
ナイス!&トラバありがとうございます。
そういえば、映画は林遣都さんがもう一つ好きになれないのと市原悦子さんならこんな感じかな、と勝手に想像してスルーしたのでした。
CSかどこかで放送がないか検索していますが見つかりません。早く観たいです。

2018/12/23 (Sun) 09:52

チャコティ副長

No title

本書は未読ですが、乃南アサは好きな作家です.
映画は観ました.林遣都と市原悦子が好い味を出していました.トラバさせて下さいね.

2018/12/21 (Fri) 21:01