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読書三昧の日々

長島有「夕子ちゃんの近道」

2009/08/26
長嶋有 0

連作短編集

アンティーク店フラココ屋の二階で居候暮らしを始めた「僕」
暢気な店長
大家の八木さん
八木さんの孫娘・朝子ちゃんと夕子ちゃん
初代居候の瑞枝さん
フランス人のフランソワーズ(店長の前カノ?)

フラココ屋周辺の面々と「僕」との繋がりは次第に深まっていくのだが
やがてめいめいが旅立つときがやってくる


タイトルから
童話を連想して
癒し系の話だと思いきや
なんか
どこか
違う

「僕」の名前は?
どこから来た?
何をしていた?
一切明らかにされず
「家に帰る」と
ある朝フラココ屋の二階を出て行く

フラココ屋にアンプを買いに来た金持ちの黒塗りの車を見た夕子ちゃんと瑞枝さん
車が走り去ってから大急ぎで「僕」のところにやってきて

あの車でいっちゃうのかと思った
フラココ屋の二階でだらだら暮らしてる人が本当は大富豪の息子でね
ある日、フラココ屋の前に黒塗りの大きな車が止まってね
立派な執事が静かに出てきて恭しく言うの
『ぼっちゃま、道楽もいいけげんになさってくださいまし』
それで、うん、って頷いて車に乗っていっちゃうの


オモロイ

「僕」は駅に向かう途中瑞枝さんに見つかって
皆のところに戻ります

この方の独特の感性
好きです

第一回大江健三郎賞受賞

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