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読書三昧の日々

池澤夏樹「光の指で触れよ」

2009/08/22
池澤夏樹 0

大企業で風車の設計に携わるエンジニア
天野林太郎


アユミ


森介


キノコ(可南子)


仲の良い家族だったはずの天野家
森介は家を出て全寮制の高校に通う
アユミとキノコは林太郎の『恋』が原因で家を出てヨーロッパで暮らす
独り東京で暮らす林太郎、恋人・美緒とはすれ違いを感じ始める

この家族がどうなっていくのか
というありふれた家族小説ではありません

環境エネルギー問題に取り組んでいたはずの林太郎はエンジニアとしての自分に限界を感じ、自給自足の有機農業に惹かれていく
アユミはフランスやスコットランドのコミュニティでの暮らしの中で
森介は級友の実家を訪ねることで
やはり農業、パーマカルチャーに惹かれていく

気候変動・エネルギー問題・経済不安
その中で日々の暮らしに困っていなければ日常生活はさほど暗いものではないのではないか
人を不幸にするものはグローバルな問題よりローカルな事件

グローバル対ローカル
先端科学技術対エコ

語られているのは重いテーマです




心に残った言葉を本文よりいくつか
何れも、コミュニティでアユミが聞いた言葉です

『競争しなければいい、他の人と自分を比べなければいい、それぞれに働いた成果をそのまま足し算する、他の人との間で引き算はしない、あの人は私より…とは言わない』

『今日はあなたに残された人生の最初の一日です、実は毎日がそうなんだ、そう思って一日ごとを大事にして冒険をしなければいけない』

『競争がない、お金の役割が小さい、みんなそれぞれに精神的な目標を持っている、お互いを評価しないけど、人の話はよく聞く、他の人の生き方に関心がある』

文明に囲まれ、お金に振り回される現代生活
せめて精神的には豊かな暮らしがしたいものです



昨年、eco検定の勉強中に読みました
グッドタイミングな1冊でした

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