池波正太郎「武士(おとこ)の紋章」
新潮文庫
1994年 6月 発行
2008年 2月 24刷改版
2016年 3月 32刷
解説・八尋舜右
321頁
大河ドラマ「真田丸」で俄然注目された真田一族の3人を描いたものが3編
真田幸村の妹を娶り添い遂げた滝川三九郎の生涯を描く表題作「武士の紋章」
この主人公は織田信長の重臣、滝川一益の孫なのですね
誰某の息子が誰で、嫁は誰某の姫で、息子は誰某の養子に出て、などなど
人物相関図が複雑です
滝川三九郎が暮らしていた伯耆の国・米子の中村お家騒動は映画「蠢動」のヒントになっているのかしら
父弟と袂を分かち家康に仕え、信州松代藩の名君として93歳の長寿を全うした真田信之を描いた「三代の風雪」
そして大阪の陣での真田幸村の奮闘を描いた「首討とう大阪陣」
三谷さんは大河ドラマ脚本執筆にあたって池波さんの著書を参考にしたのかしらと思われる箇所多々アリ^^
他には
秀吉亡き後、九州から密かに天下を狙った黒田如水の晩年を描いた「智謀の人」
新撰組随一の剣客として有名な堀部安兵衛が赤穂藩に仕官するきっかけとなった「決闘高田の馬場」
新撰組剣士でしたが近藤勇と決別後は松前に渡り大正の始めまで生きた永倉新八を描いた「新撰組生残りの剣客」
戦中戦後、病気やケガに悩まされながら大相撲力士として活躍した三根山を描いた「三根山」
独学で植物分類学の世界的権威となった牧野富太郎を描いた「牧野富太郎」
著者34歳(1957年)から44歳(1967年)にかけて書かれた8編でした
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