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読書三昧の日々

ディケンズ「炉ばたのこおろぎ」

2014/09/24
海外の作家 0

訳・村岡花子

新潮社

196910月 発行

19708月 3

96頁 上下二段組

 

世界文学全集⑭に収録されています

⑮がドストエフスキー「罪と罰」

この中に「分身」はなかろうか、探したけど⑮のみ無い('_')

息子の部屋にあったかも?

今度聞いておこう


 

運送屋のジョンは年若く美人の妻・通称ちびと赤ん坊に囲まれ幸せな日々を送っていた

ご近所に暮らすのは

金持ちの玩具屋・タクルトン

玩具屋の使用人・ケイレブ

ケイレブの盲目の娘でちびの友人・バーサ

タクルトンの婚約者でちびの友人・メイ

 

ある日、ジョンは仕事の帰りにひとりの耳の悪い老人を連れてくる

タクルトンとメイの結婚式が近づいたある日のパーティでちびとその老人が親しげに話しているところを目撃、タクルトンは老人とちびは昔の恋人同士に違いないと吹聴する

ジョンの様子から老人との関係を悟られたと気付いたちびは家を出ていく

老人を殺害しようとするジョンだったが、妖精に姿を変えた炉ばたのこおろぎたちがちびとの楽しかった日々を思い起こさせてくれたことでかろうじて思い止まる

いよいよタクルトンとメイの結婚式の日(その日はジョンとちびの結婚記念日でもあった)

メイとちびが家に来て老人とのことは酷い誤解であることを話す

あの老人は、メイの恋人で戦死したことになっていたエドワードが、かつての恋人が金持ちと愛の無い結婚をすると聞き、何とかしようと画策のうえの扮装だったのだ

メイとエドワードを祝福する人々

お祝いの場にはタクルトンもやってきてご馳走を置いていってくれ、こおろぎがコロコロと鳴いて音楽に和し、ダンスが始まるなど楽しい結婚披露パーティが続くのだった

 

そこでお終い、ハッピーエンドかと思いきや

 

語り手の「わたし」が楽しい思いで、ちびのほうへ向いたとき、目の前の人々は皆空中に消えてしまい、部屋にはただ一人自分だけがいるのだった

こおろぎが一匹炉ばたで鳴いており、こどものおもちゃのこわれたのが床にころがっているばかり、他には何一つ残っていなかったのです

 
 

登場人物はいかにもディケンズ、という面々

純朴で素直な男、優しく正直な女、強欲な男、愛情の裏返しで見栄を張る男etc

最後には皆、善き人であり幸福な時間を過ごします

 

それにしても、最後の最後に全て夢であったかのように消えてしまうとは…

大きな余韻を残す終わり方です

 
 

朝の連ドラで花子が語る物語の雰囲気そのまま

古めかしくてやや難解ですが、大変質の良い日本語で読む古典文学に気が引き締まる思いがします

 
 
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