北重人「白疾風」
文春文庫
2010年1月 第1刷
解説・池上冬樹
393頁
戦国時代
織田信長の伊賀攻めにからくも生き残った伊賀忍者「疾風の三郎」
それから30年、家康が開拓を始めた江戸・武蔵野の村で畑を耕し静かに暮らしていたが、武田の隠し金山の噂や風魔の残党が姿を見せるなど、村の平和な暮らしを脅かす何者かの陰謀が見え隠れし始めるのだった
50代半ばになり白髪頭の三郎
戦国の辛さや悲しみを知る彼は、村人の平和な暮らしを守る為、再び忍者として立ち上がることを決意する
タイトルの白は三郎の白髪頭からとったものです
忍者たちが繰り広げる死闘シーンには手に汗を握る展開にドキドキ
ですが、自分は戦いのシーンよりミステリー仕立てに描かれた村に徐々に忍び寄る不穏な空気や、対する三郎の心情描写に惹きつけられました
結末は切なかったです
あと、建築に携わっていた北さんらしい
村の家屋、田畑の配置などが分かりやすく詳細に描写されており目の前に美しい山間の村の風景が見えるようでした
江戸初期の町の作り、町名の由来、発展の様子などの説明もあり、そちら方面のお勉強にもなりました
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