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読書三昧の日々

佐伯一麦「還れぬ家」

2013/09/28
佐伯一麦 0

新潮社

20132月 発行

441

 
 

父母との確執、そして一家を見舞った東日本大震災

この土地で生きた半生を全身全霊を込めて描く

 
 

平成20311

父が物忘れ外来を受診した日に始まる物語

「新潮」連載は大震災発生前に始まっていたので、この日付は全くの偶然なのだそうです

不思議な符合です

 

私小説作家・佐伯さんの著書は多く読んできているので子供~高校時代、家出、結婚、離婚、再婚、両親や兄・姉のことは『再読』のような感覚

いつものように淡々と進む物語に変化が見られるのが大震災の後

明らかに今までの佐伯さんとは違う思い、自分には何が出来るのかといった強いものが感じられます

 

父親の認知症と死、東日本大震災に関して読むのは初めて

 

現在の奥様の存在は非常に大きいですね

ご自分の仕事(草木染め作家)を持ちながら、穏やかで心に余裕があり、佐伯さんの病気のケア、佐伯さんのご両親の世話などをされています

勿論パーフェクトではありません

必要な場合には人の助けも借ります

何故だか佐伯さんの奥様の周囲には、痒いところに手が届くように救いの手を差し伸べてくれる人が集まるようです

といって最初の奥様がそんなに悪い人だったのか、とは毎回疑問に思うところですが

 
 

「還れぬ家」とは

作者が抱える少年時代からのわだかまりが解けないままの生家

認知症を患い施設で亡くなった父が還れなかった我が家

そして大震災で多くの人が失った我が家

 

被災者でもある佐伯さんは、今後大震災をテーマにした小説を書く予定

書かねばならぬ、と思っているそうです

 


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