映画・天使の分け前
原題 THE ANGEL’S SHARE
2012年 イギリス/フランス/ベルギー/イタリア
舞台はスコットランド・グラスゴー
主人公のロビー(ポール・ブラニガン)は幼い頃から環境に恵まれず暴力とケンカが絶えない毎日を送っており少年院を10か月前に出所したばかり
またケンカ騒ぎで相手に重傷を負わせたことから裁判にかけられ、300時間の社会奉仕を命じられる
ガールフレンドのレオニー(シヴォーン・ライリー)との間には子供も生まれるが、彼女の親族からみれば絶対に認めることのできない相手でお金を渡すからロンドンへ行くように強要される
レオニーから「子供の為にきちんとした父親になって欲しい、それが無理なら子供は自分ひとりで育てる」と伝えられたロビーは、今後絶対にケンカはしないことと、きちんと働くことを決心するのだが、前科者で顔にキズのあるロビーを雇ってくれるところは皆無、面接にすらたどり着けない始末
ウィスキー愛好家で奉仕活動の現場指導者のハリー(ジョン・ヘンショー)に連れていってもらった蒸留所で、自らのテイスティングの才能に目覚めたロビーは、徐々に自分に自信を持ち始め、レオニーの知り合いの親切で住む場所も見つかり、レオニーとハリーに出会ったことによって人生が変わりつつあることを感じるのだが、昔からの因縁でトラブルの絶えない相手についナイフを向けてしまう
なんとかしなければ、と焦るロビーにある日大きなチャンスが訪れる
レオニーと子供との平穏で安定した生活を手に入れるための大胆な計画を奉仕活動の仲間と実行に移すのだが、果たして彼らは自らの人生を大逆転できるのだろうか?
この計画が実行される辺りから、それまでの暗く沈みがちなトーンが一転コメディの様相を呈してきます
自分に正直ではあるが、仕事もなく人間のクズのレッテルを貼られ将来に夢も希望もなかった若者たちが、逆境をはね返し再出発するラストはスコットランドの美しい風景とBGMも相まって、とても気持ちの良いものでした
『天使の分け前』とは
ウィスキーなどが樽の中で熟成されている間に、年2%ほど蒸発して失われる分のこと
10年もの、20年ものと年数を重ねるごとにウィスキーは味わいを増し、それとともに天使の分け前も増していく
自分がまったくアルコールがダメでウィスキーの良さを味わえないのが残念
ハリーの家のテーブルに置かれた安っぽいドリンクのビンに入った琥珀色の飲み物
香りだけでも味わえたらなぁ~
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