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読書三昧の日々

コンラッド「闇の奥」

2013/04/25
海外の作家 2

訳・黒原敏行

光文社古典新訳文庫

20099月 初版第1刷発行

解説・武田ちあき

192

 
 

密林の奥で進行する奇怪な事件を語る伝奇的な冒険小説

 

19世紀終り、船乗りのマーロウはベルギーの貿易会社に雇われアフリカのコンゴへ向かう

コンゴ川を遡る船の修理を待つ間に耳にしたのがクルツという名の謎めいた男の話

彼は会社の支配下にありながら、自由に象牙貿易を行い密林の奥に隠れて暮らしているという

クルツへの興味が大きく膨らむマーロウは密林を縫うように流れるコンゴ川を遡り、ついにクルツとの対面を果たした

 

当時ベルギーの植民地であったコンゴに暮らす黒人に対する暴力による支配とあからさまな人種差別が当然のこととして描かれており、不愉快に感じる部分もありますがそれは脇に置いて読むのがよいと思います

 

密林の奥へ進むに従い、闇はさらに深く黒くなり、恐怖は益々大きくなっていく

河の道筋では両方でちゃんと開けていくが、船のうしろでは次々と閉じていくように感じられた

まるで密林が両側からすっと歩み寄って、俺たちが帰れないようにしているといった感じだった

俺たちは闇の奥へますます深く入り込んでいった

とても静かだった

 
 

読みにくいといわれるコンラッドですが、予想や理解しようとすることを止めて素直に言葉を受容れていくと何処かでストンと落ちてくるものがあります

 

未だ文明の衝突が続く社会の闇、人間の心の闇が見えてくるようで空恐ろしくなりました

 
 
 
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Comments 2

There are no comments yet.

こに

No title

supernovaさん
クルツが国に残している恋人が登場して「どうなるのかな~」と期待が膨らんで。
でも「あらあら」で。
どちらかといえば、どよ~んとした感じで終り、かな。(^_^;)
日本人とは少々感性が違いますネ。

2013/04/26 (Fri) 18:16

supernova

No title

上記、本からの抜粋を読んだだけで、これから世界の暗闇を目撃
するように感じられて、ちょっと怖いですね。
最後は明るい感じで終わりますか?
それとも、どよ~んとした感じのまま?

2013/04/26 (Fri) 08:53