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読書三昧の日々

吉村昭「高熱隧道」

2012/12/28
吉村昭 2

新潮文庫

19757月 発行

20107月 53刷改版

201112月 56

解説・久保田正文

258

 
 
 

黒部第三発電所

昭和118月着工

昭和1511月完工

人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の岩盤最高温度165度という高熱地帯に隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であり犠牲者は300余名を数えた

トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予想もつかぬ大自然の猛威との対決

極限状態における人間の姿を見事に描いた記録文学

 

昭和30年代の黒部川第四発電所の工事の様子を描いた「黒部の太陽」は有名ですが、それ以前にこのような工事が行われており、多大な命が失われたことを初めて知りました

 

戦時中、電力供給を増やすため無理を承知で進められた工事

国策に従わざるを得ない建設会社と現場監督

仲間の死を目の当たりにしながらもお金の為に過酷な現場で黙々と働く人夫たち

高温になるトンネルの中で作業を進めるために次々と産み出されるアイデア

うまく進むかと思った矢先、あざ笑うかのように彼らを襲う自然の猛威

 
 

どこまでが事実なのでしょう

淡々と記録を綴る部分と実写部分をうまく繋いでおり、そこから伝わってくる熱気と迫力に圧倒されました

 
 
 
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Comments 2

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こに

No title

夕凪日和さん
裕次郎さんの映画は観たことがありませんが、頻繁に取り上げられるので「黒部の太陽」なんかも観た気になってます。
今の私たちの暮らしは、先代の方々の想像を超える苦労のうえに成り立っているんですよね。
忘れてはいけないと思います。^^

2012/12/29 (Sat) 12:45

夕凪日和

No title

黒部の太陽、実は前に旦那の仕事の関係で、観ました。
爆破で、作業員が、亡くなったり、転落したり、白黒のスクリーンか余計に悲しくなりました。

石原まき子さんが、一番裕次郎らしく、命をかけて、作られた作品ですね。
私は、生まれてない時代ですが、
リアル感が、伝わりました!(^-^)

2012/12/28 (Fri) 14:17