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読書三昧の日々

岡本喜八「マジメとフマジメの間」

2012/10/13
あ行の作家 0

ちくま文庫

201112月 第1刷発行

20121月 第2刷発行

314

 
 

喜劇と戦争を描いた映画監督

代表作は「独立愚連隊」「日本のいちばん長い日」「江分利満氏の優雅な生活」など

 

小難しい映画理論や有名俳優や監督、脚本家などとの交友録のようなものかと思っていたのですが、中身はとても読みやすいエッセイ集でした

明快、単純な言葉で深刻なテーマも軽快なテンポで綴ります

映画と同じです

 

印象に残ったところ

ひょっとしたら人間なんてものは、いつか誰かと出会い、いつか何かと出会うのを楽しみに生きてる生きものなのかもしれない

少年は、ほお赤らむような少女との出会いを、老人ホームの婆さんはちりめんじわのびそうな爺さんとの出会いを、以下略

ともかく出会ったとたんに、横隔膜のあたりでなにやらドンドンと足踏みしはじめるような、そんな感じの出会いでなくてはいけない

出会った以上は、身内がメロメロと燃え、目がイキイキと輝かなくちゃウソだと思うからである

映画ファンは、見終ったあとで胸のふくらむような映画との出会いが楽しみだ

それではお前さん、そんな映画をお作りだったかえ、など開き直られるとハッタと困る

困るけれども、これだけはシッカと言える

仕事の話がくる

企画案なり原作なり脚本なりと出会う

私が年がいもなくドキドキするかどうか、そいつをまずものさしにして、引き受けるかどうか決める

できばえのよしあしはひとさまが決めてくれるからさて置き、私はただただ初恋のように、胸のトキメクような仕事をしていきたいだけである

 

こんな思いで作られた映画でも評価されず上映打ち切り、お蔵入りも度々あったようです

 

徴兵され23歳までと決めていた人生

ホンモノの青春とは死とか寿命のコトなんぞ考えないもの、なのだそうです

戦争を知らずに育った世代には、理解しにくいところです

 

黒が好きだった監督

家も洋服も、飼い犬、飼い猫、下着からトイレの洋式便器まで

極めつけは車、ダットサンのステーション・ワゴンの黒

霊柩車そっくりになるというので販売店から間違いないかと念を押されたそうです

ここまで徹底的にやられると周囲も従わざるを得ませんね

 
 

20052月 食道ガンのため自宅で家族に看取られ亡くなりました

享年81歳でした

 
 
 
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