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読書三昧の日々

野口卓「軍鶏(しゃも)侍」

2012/04/26
な行の作家 2

祥伝社文庫
2011年2月 初版第1刷発行
2011年3月 第2刷発行
解説・縄田一男
334頁


江戸時代、架空の藩、南国の園瀬藩城下で隠居暮らしをする岩倉源太夫、齢40
ある日突然、筆頭家老の呼び出しを受ける
喧嘩鶏の軍鶏を飼ってのんびり過ごしている源太夫は無用者として陰で「軍鶏侍」と陰口をたたかれている
なにゆえ呼び出しを受けたのであろうか

実は源太夫は優れた剣の使い手で、若い頃江戸暮らしの間に闘鶏の美しさに魅入られ、そこから必殺剣「蹴殺し」を編み出していたのだが、園瀬藩に戻ってからは、早い隠居を計画し、目立たず波風を立てないような暮らしをしてきたのだった
その源太夫が筆頭家老の呼び出しを受けたことから藩の政争に巻き込まれることになる

連作短編集です
「軍鶏侍」
「沈める鐘」
「夏の終わり」
「ちと、つらい」
「蹴殺し」


お家と体面が大事な武家の話に始まり、源太夫の再婚、己の至らなさのために幸福とはいえないまま逝ってしまった先妻への思い、道場の若年者の成長などというソフトな話題も絡めながら園瀬藩で起きた血生臭い事件を描いていきます

源太夫の父の頃から仕える下働きの権助が控えめながら魅力的です
意味深い発言や行動から幾度と無く「家に来る前は何をしていた?」と聞かれるのですが権助はいつも曖昧な答えをするばかりで一切明らかになりません
権助を中心に置いた物語があったら面白そうです


藤沢周平作品に出会って時代小説家の道に入ったという野口さん
時代小説の王道をいかれることでしょう
今後の作品が楽しみです
葉室麟さんとともに、読み続けていきたいと思います

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Comments 2

There are no comments yet.

こに

No title

やっちいさん
時代物、たまに挟んで読んでます。
いい気分転換になりますね。(^^)

2012/04/28 (Sat) 16:02

やっちい

No title

時代小説を読みたいな~って思っていたんデス。
図書館で探してみようっと。

2012/04/27 (Fri) 10:54